VOL .2
今回の「ひとりごと」は、ラフレシアのオープン当時のエピソードを書きたいと思います
諸事情により7年勤めた某アロワナ専門店を辞め、人生の大きな分かれ道に立つ事になりました。
これといって出来る事がある訳でもなかったですし、アロワナを辞める事も出来ず、独立を決意しました。
自分でやりたい様にやりたい事をやるには、この道が最善だと考えました。
最初はインドネシアの某養殖場に就職する話もあったのですが、簡単に日本を離れる決心が付かず諦めました。
今思えば凄い事を考えてたなぁ~と思います(笑)。
まずは拠点となる店舗探しから始まりました。
重い水槽を置くので床はコンクリートでなければいけませんし、湿気を逃がすために大き目のエアコンが付いていた方がベストでした。
一番探していたのは埼玉県の三郷市でした。
三郷は埼玉県でも最南に位置していて、家賃が安い割に東京都、千葉県まで車で10分の場所にあります。
しかも、常磐自動車道、首都高速、外環道のインターチェンジがあるので遠方からのお客様に便利ですし、輸入時に成田空港にも便が良いと考えたからです。
無職でしたから時間だけはあったので、不動産屋さんを廻る毎日が続きました。
そんな時、一軒のナイスな空き店舗を見つけました。
それが、今の店舗で、もとは古本屋さんだった事は看板を見て判りました。
早速不動産屋さんに連絡を取り、中を見せていただきました。
造りが台形をしていて水槽をレイアウトするには無理がありましたが、16坪の店舗には大きすぎる程のエアコンが2基、換気扇が3基付いていたのを見て、
「ここだぁ~!」と思い、家賃を交渉して契約をしました。
家賃、保証金を負けてもらった変わりに、ハウスクリーニングは自分達でやりました。
しかも、家賃を一ヶ月分ただにして頂いたので、その間の金銭的な負担も軽減しました。
お客さんに手伝っていただき、壁にレンガ調の外壁材を貼り付けました。
以前と違い落ち着いた雰囲気になって気に入っています。
よく見ると継ぎ目が段になっていて、おかしいのですが、それがまた思い出の一つになっています。
この頃から店の名前は「ラフレシア」にしようと考えていました。
お世辞にも美しい花でなく、いつ咲くかわからないのですが、咲けば世界一の大きな花と言う所が気に入っていました。
ラフレシアをインドネシア人やマレーシア人が知らない筈はありませんので、すぐに覚えてもらえると考えたのもありました。
この「インドネシア人に覚えてもらう」と言う事は、海外で仕事をしていく上で大きな意味合いを持っています。
現にタイなどでも、僕の事を雑誌で知っていた方が多かったので仕事が楽に進んだのも事実です。。
ちなみにタイでは「日本のアロワナブリーダー」と呼ばれています(笑)。
彼らは日本語が読めませんので、写真だけを見て
「福井は日本の水槽で定期的に繁殖させている」と思っています(笑)。
雑誌の広告などにも店名をカタカナではなく「Rafflesia」と書いたりしているのもこの為です。
店を開店するにあたり、アロワナの仕入れはディナミカ・カプアスのヒヤンに相談しました。
出来る限り他店さんと違うアロワナを扱って行きたかったですし、なりよりディナミカのアロワナが好きでしたから・・。
ヒヤンはそんな僕を気持ちよく受け入れてくれ
「全面的にバックアップする。」と言って、以前よりアロワナの価格を落としていただきました。
しかも、金銭的にも大量に買えない事を伝えると
「20匹からでも送るよ。」と言っていただけました。
開店準備中にはヒヤンの息子ジミーも来日してくれて、今後の事を話し合いました。
彼は台湾のマーケットの大きさを知りながら、ラフレシアに優先的にアロワナを輸出してくれています。
いつも他国に輸出する前に、電話してきてくれて
「オーダーが入ったけれど、必要ならば確保しておくよ。どうする?要らなければ出しちゃうけど・・・。」って・・・・。
金額的にはラフレシアと台湾じゃ「アリと象」以上の差があるのにです。
ディナミカサイドも商売なのにね。
インドネシアの「アロワナ職人の男気」を感じます(笑)。
オープンにあたり広告を出さなければ、どんなに良いアロワナを展示してもお客さんは来てくれません・・・・。
しかし、広告費はカラー1ページで数十万円します。
出費ばかりのオープン前のラフレシアに、広告費という負担は大きく、頭痛の種でした。
そんな時プラタパッドの山崎さんから電話があり
「次回の表紙、人工孵化の卵で行きますから!」と言われ
「はい、ありがとうございます。」と答えて、電話を切りました。
発売されたプラタパッドを見て、まさか自分の顔が出てるとは夢にも思いませんでした(笑)。
うちのおふくろは、近所親戚に配っちゃうし・・・・・(笑)。
お蔭様で初のラフレシアの広告は最高の宣伝と思い出になりました。
さぼりにさぼった今回の「ひとりごと」ですが、
落ちのないまま終わります(笑)。
次回に続くかどうかは、次回書き換えてみないと判らない所が、
ひとりごとと言う事で・・・・・。